よい栄養状態は”治療の土台”
患者さんが食べられるように、側にいて手を尽くす、管理栄養士の仕事

下膳の確認:「どのくらい食べられたかな?」完食率の確認は管理栄養士の大事な仕事
栄養士さんの仕事、というと身体によい献立を考える、健康であるための食べ方を指導する・・・のがよく知られています。現在、当院では7名の管理栄養士が活躍中ですが、十数年前は3名でした。ここまで増えた理由は? それぞれ何をしているのか? 今回は当院の管理栄養士について、お伝えします。
当院の栄養管理の特徴について、栄養管理科の中野道子科長(写真下段中央)に尋ねたところ、開口一番「各病棟に専属の管理栄養士を配置していることでしょう」。これは他の病院ではあまり見られないことなのだそう。
「入院患者さんの栄養状態を把握し、過不足があればそこを調整していくのが、我々の仕事です。特に、食事の摂取量が減り、栄養状態が下がれば免疫が下がり、傷の治りも遅くなる。治療に大きく影響してくるので、栄養状態をいかに落とさないかが、大切になってきます」。管理栄養士が少なかった頃は病棟から呼ばれても、即対応は難しかったのでした。

栄養管理科:病棟だけでなく、外来での栄養相談や術前の栄養確認など、食と栄養に関わる全てをこなすエキスパート。
病棟専属の管理栄養士がいるメリット
「各病棟に管理栄養士がいれば、患者さんの食事の様子を直接見て、摂取量が落ちていれば栄養補助品を入れるなど素早い対応が取れます。患者さんの様々な変化もすぐに病棟スタッフから伝わってくる。医師にも相談しやすい。病棟に専属の管理栄養士がいるメリットは多大です。患者さんときめ細やかに関われるようになりました」。よい栄養の状態を保つことは治療のベース、土台であると語る中野科長。
栄養状態を落とさないため、患者さんの側で、実際にどう管理栄養士が関わっているか見てみましょう。
外科病棟(40床)専属の管理栄養士の1日
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8時30分
朝の申し送り参加
朝食の下膳確認昨夕から今朝にかけて、患者さんに大きな変化がないか、病棟の朝の申し送りに参加して情報収集。また患者さんの朝食が終わり、下膳(げぜん)されているので、何割くらい食べられているかナースエイド(看護補助者)が書き入れた表を確認し、報告があれば受けます。この下膳のチェックは患者さんの状態を測るためのとても重要な仕事。 -
9時30分
回診同行(外科)
昼食オーダー修正回診が毎日ある外科病棟。ここで得られる情報も重要。術後のお腹の傷の状態を見て、食上げ(3分粥→5分粥→全粥と、食事のレベルを上げていくこと)についてその場で医師に確認することも。「回診や朝の下膳の情報から、昼食の変更の必要があればすぐ行います。短時間で行わなくてはいけないため忙しいですが、病棟担当だから目が行き届く点があるのではと思います」と担当の三原管理栄養士。 -
11時50分
昼食の配膳・下膳
患者さんに声かけ昼食が病棟に届き、スタッフ皆で配膳。咀嚼力の低下から、きざみ食となった患者さんには「食べづらくないですか? 量が多かったら食べられる分だけ食べてくださいね」と声かけ。朝、主食のお粥を残していたストマ装着後の患者さんとは「お粥は苦手でした?」「梅干しでもあれば食べられたよ」と会話が進む。しっかり食べてもらうため、患者さんの【食べられる方法】を探すには、まず患者さんの話を聞くことが大事、とのこと。 -
午後
栄養指導
入院時ヒアリング午後は退院を控えた胃の手術後の患者さんの栄養指導。「術後の経過や入院時の食生活のヒアリングを元に、退院後の食事の指導をします。入院前の生活背景を知っているとより具体的なアドバイスができます」と三原管理栄養士。そして今日入院した患者さんのヒアリング、採血による患者さんの栄養定期評価、明日のオーダーと患者さんの栄養状態を守るため管理栄養士の毎日は続くのです。
お知らせ
膝関節センター長 森山一郎医師の退職(8月末日)に伴い、膝関節疾患の患者さんの新規受け入れを停止しております(APS療法も含む)。「膝関節センター」もしくは「森山一郎医師」宛てのご紹介状をお持ちの方は、誠に恐れ入りますが、紹介元の医療機関の先生にご相談いただけますよう、お願い申し上げます。 膝関節疾患治療再開の際は病院HPでお知らせいたします。
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