お知らせ
-
2021.12.17
-
『ナースマガジン2021 vol.34』および『栄養の杜』に「歯科併設のない急性期病院における地域一体型口腔ケア体制の取り組み」が掲載されました
2021.12.17
医科歯科連携による口腔管理
荻窪病院は歯科の標榜はありませんが、杉並区歯科医師会や地域歯科との連携のもと、病棟看護師と歯科衛生士が協働し、入院患者さんの口腔管理を行っています。
入院中や手術後は体力や免疫力の低下が見られることがあります。そのため口腔内の状態が悪化し、食べることが困難になり、全身へ影響がおよび回復が遅くなったりすることがあります。また、入院前からの口腔管理は術後の合併症を予防し、入院日数を減らし、患者さんのQOLの向上や維持する効果があると言われています。円滑に治療が進められるようできるだけ早い段階で口腔管理をすることは医療上、とても大切になります。
荻窪病院の口腔管理体制
杉並区歯科医師会によるサポート体制
非常勤歯科医師による月2回の歯科医師ラウンドで口腔ケアの相談やアドバイスを得ながら、患者さんにより良いケアが提供できるよう、多職種で口腔管理の質の向上に取り組んでいます。
また、緊急の歯科診療が必要な患者さんに対し、かかりつけ歯科の往診ができない場合は、杉並区歯科医師会による歯科往診等のサポート体制を整えています。
地域歯科との連携体制
がん等に係る全身麻酔による手術時の誤嚥性肺炎等の合併症や気管挿管時の歯牙損傷予防を主な目的として、2015年度から地域歯科と周術期等口腔機能管理の連携を行っています。
看護部口腔ケアワーキンググループ
各病棟の口腔ケアリンクナースと歯科衛生士で口腔ケアに関する様々な協議や勉強会等を月に1回開催しています。
主な口腔管理の活動
- 周術期等口腔機能管理の地域歯科との連携
- 歯科医師ラウンドの実施
- 緊急時の歯科往診コーディネート
- 口腔ケアワーキンググループの運営
- 口腔ケアに関する院内研修
- 口腔ケア製品の選定と見直し
- 口腔ケア業務マニュアルの作成と見直し
- 口腔に関する院内のシステム構築と見直し
- 医科歯科連携の会・区民健康講座講演
▲2017年5月 荻窪病院主催 みんなの健康講座in杉並公会堂
地域への啓蒙活動
入院患者さんだけでなく、区民の皆様へ向けて区民健康講座などを開催し、かかりつけ歯科への定期受診の周知にも取り組んでいます。
普段の生活で「歯が揺れている」、「義歯が合わない」などを放置していると、入院中に思うように食べられない、栄養が摂れないなど、お口の問題が明らかになることがあります。
普段からかかりつけ歯科を持ち、定期的な歯科受診で口腔内を整えて生活していただくことが、とても大切です。
杉並区歯科医師会との歯科連携をまとめました
歯科の標榜がない当院が、杉並区歯科医師会の先生方と連携し、入院患者さんの口腔ケアを進めてきた様子を冊子にまとめました。
荻窪病院・杉並区歯科医師会
※ダウンロードしてご覧になれます(20ページ・PDF/6.14MB)
▲連携のあゆみ(年表)
▲3つの大きな取り組み