臨床工学技士(Clinical Engineer:CE)とは
現在の医療現場では高度化した医療機器が数多く使用されています。臨床工学技士は、『臨床工学技士法』に基づく国家資格で、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作および保守管理を業務としています。「生命維持管理装置」とは、呼吸、循環、代謝の一部を代替し、または補助することが目的とされている装置を指し、人工呼吸器、人工心肺装置、補助循環装置、血液浄化装置、ペースメーカなどがあります。
臨床工学科
現在は9名の臨床工学技士が勤務しています。人工心肺装置や人工呼吸器、血液浄化装置などの生命維持管理装置の操作、および院内の様々な医療機器の保守管理を行い、医療機器の安全確保の担い手としてチーム医療に貢献しています。また、緊急性が高い業務に備えて24時間365日のオンコール体制をとっています。
また、日々進歩する医療機器・医療技術に対応できるよう専門知識、技術レベルの向上を目指し、各種関連学会、研究会への参加や、認定資格の取得を積極的に行っています。
認定資格
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取得人数
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体外循環技術認定士 |
2名
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3学会合同呼吸療法認定士 |
4名
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心血管インターベンション技師(ITE) |
1名
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植込み型心臓不整脈デバイス認定士 |
2名
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不整脈治療関連専門臨床工学技士 |
1名
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2022年11月現在
方針・目標
- ISBARCに基づく報告、提案を行います。
- ガイドラインに基づいた治療法を理解し、チーム医療の一員として各科をつなぎます。
- 医療機器の点検を適切に行い、患者様・スタッフの安全を守ります。
- 適切な業務時間を守り、ワークライフバランスを推進します。
業務内容
医療機器管理業務
院内で使用されている多数の医療機器の日常点検や定期点検、修理を行い、医療機器の安全性の維持に努めています。人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプなどを中心に中央管理を行い、医療機器の効率的な運用を目指しています。医療機器管理システムは「ZERO ME」を使用してします。
スタッフへの医療機器の説明会を開催し、医療機器での医療事故防止にも取り組んでいます。
手術室業務
血管撮影室業務
2室の血管撮影室で、ポリグラフの操作(血圧波形・心電図の解析、バイタルサインの監視)、IVUS、OCT、OFDI、FFR等の各種診断機器の操作、解析、カテ台帳システムの入力、データ管理、体外式ペースメーカ、IABP、PCPS等の生命維持管理装置の準備、操作を行っています。 心臓電気生理学的検査やカテーテルアブレーション治療ではポリグラフ、3D不整脈解析装置・電気刺激装置・高周波通電装置の操作行っています。
デバイス業務
血液浄化業務
主にICU、病棟にて急性期血液浄化療法を行っています。循環器疾患を合併した症例も多く、透析中の循環管理や容態の変化に即座に対応すべく、医師・看護師と連携し安全な透析治療を提供しています。また、各種血液浄化療法(血漿吸着、血漿交換、DHP、G-CAP、腹水濾過濃縮再静注法など)も行っています。
学会発表・講演
タイトル | 筆頭演者 | 発表学会名 |
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2022年度 | ||
血液透析患者の下肢切断術後の潰瘍部に血液吸着療法が有効であった一例 | 清野 健太 | 第48回日本血液浄化技術学会学術大会 |
GDP 連続モニタリングの教育的効果についての検討 | 小山 貴史 | 第32回 日本臨床工学技士会 |
PQ 時間が延長した患者に対しても、自己心拍優先機能が有効だと判断した 1 例 | 大賀 一輝 | 第32回 日本臨床工学技士会 |
当院における転院搬送の最適化について | 安川 直貴 | 第32回 日本臨床工学技士会 |
荻窪病院でのGDP連続モニタリングの成果 | 小山 貴史 | 第3回人工心肺ナビゲーション研究会 |
泉工医科工業社製人工心肺装置 HAS3 搭載電子ブレンダの流量、FiO2 精度についての検証 | 小山 貴史 | 第47回日本体外循環技術医学会 |
遠隔モニタリングによる生体情報の共有と活用 | 小山 貴史 | 第2回医療看護マネジメントセミナー |
2021年度 | ||
プラスグレル製剤投与後に上行弓部置換+Frozen Elephant Trunk 内挿術を行い 大量輸血が必要となった一例 |
小山 貴史 | 第46回日本体外循環技術医学会 |
2019年度 | ||
右室ペースメーカーリードが左室自由壁を穿孔し、体外循環心停止下で除去を行った症例の経験 | 小山 貴史 | 第45回日本体外循環技術医学会大会 |
PVI後の不十分なblock lineを特定するのにRipple Mappingが有効であった一例 | 一條 純子 | カテーテルアブレーション関連 秋季大会2019 |