心臓血管外科からのお知らせ
2023年11月17日 第35回 荻窪循環器カンファレンスを2023年12月13日(水)にオンラインで行います NEW
診療体制
心臓血管センタ一の外科部門として循環器内科と協同しながら診療を行います。循環器内科で検査を受けて手術が決まった方はお待たせせず速やかに手術を実施し早期退院、社会復帰していただくよう努めます。他の医療機関で検査を受けて当院を紹介された方も同様です。緊急手術要請も可能な限りすべてお受けしています。
なお当院は、東京都急性大動脈スーパーネットワークの緊急大動脈重点病院です。
【対応している緊急手術】急性大動脈解離(Satanford A型)、胸部・腹部大動脈瘤破裂、急性冠動脈破裂、内科的治療が無効の急性弁膜症、急性末梢動脈閉塞
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ご予約
8:30~18:30※土曜は12:00まで地域連携室 直通番号
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03-3399-0257
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緊急受診
心臓血管センター医師が対応いたします病院代表
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03-3399-1101
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医師紹介
<医師をクリックすると詳しい内容をご覧になれます>
澤 重治
Sawa Shigeharu
心臓血管外科部長
心臓血管センター長主な専門成人心臓外科・弁膜症外科・冠動脈外科
医師紹介
心臓血管外科
心臓血管外科部長
心臓血管センター長澤 重治
Sawa Shigeharu
- 入職
- 2008年
- 主な専門分野
- 成人心臓外科・弁膜症外科・冠動脈外科
- 医学博士
- 慶應義塾大学心臓血管外科非常勤講師
- 日本外科学会外科専門医・指導医
- 日本胸部外科学会専門医・指導医
- 心臓血管外科専門医
1983年 金沢大学医学部 卒業 1987年 金沢大学医学部附属病院第一外科 1990年 富山赤十字病院心臓血管呼吸器外科 1993年 横浜栄共済病院胸部心臓血管外科
インタビューInterview
心臓血管外科センター開設の経緯を教えていただけますか。
平成20年の4月に、それまで循環器科すらなかった病院に、心臓の内科、外科を合わせた治療の一大センターを造ろうと、そのセンターを成長発展させて地域のみならず、東京都内、全国に名の知られたセンターにしたいというみんなの夢を担って2008年に心臓血管センターを立ち上げる事になりました。 全くゼロからの土台造りからのスタートでした。心臓外科にずっと携わってきましたが、何もない所から心臓のセンターを造る、立ち上げるというのは実は夢だったんです。
(心臓血管センターのご紹介はコチラ)当時の荻窪病院を取り巻く状況はどのようなものでしたか。
昔は心臓が悪いと言われたら荻窪を飛ばして新宿方面行ったりするのが当たり前でした。それを何とか覆したいと考えました。地元の方が、杉並区内できちんと心臓の治療が受けられるように、それがこの地域の常識になるように頑張らなければいけないなと思って今までやってきました。地域に定着してきたかなという手応えはいつ頃からありましたか。
3年経ってからくらいでしょうか。3年経つまでは、何があっても驚かないぞという覚悟でやってきました。4年目に入ると、症例数も手術成績もある程度安定してきましたし、それと並行するように、内科のカテーテルなどの治療成績も安定してきました。それでは心臓血管外科について詳しくお聞かせいただけますか。
まずは循環器内科で詳しい検査をします。手術が必要な時に、心臓血管外科に改めて紹介されます。心臓血管外科では、お子さん以外の成人の方の心臓血管外科の手術を行っています。心臓血管外科の3本柱というのは、1つは弁膜症、2つ目は狭心症心筋梗塞、3つ目が大動脈疾患で、あとは末梢動脈などの疾患になります。この3本柱をどれだけ治療するかというのが我々の仕事のメインです。特徴として挙げられている自己心膜を用いた大動脈弁形成術について教えていただけますか。
これは、自己心膜という自分の組織を使い、自分の体の組織だけで弁膜症を治すという治療です。人工弁は使いません。人工弁を使わない1番のメリットは人工物との強い反応を抑える薬が必要ないという事です。 体は人工物を排除しようとしますから、その排除の反応を抑える為にとても強い薬が必要なんです。特に年配の方はそういった薬で副作用が出やすいですし、若い女性はそういう強い薬を飲んでいると妊娠、出産出来ない訳ですから、僕は、この治療法は副作用が全くない画期的な治療だと思っています。他の手術と較べて負担や手術時間は変わりあるのでしょうか。
人工弁で治す手術に比べると技術的に難しいので若干長いですが、プラス1時間位ですから人工弁が3時間少しだとしたら4時間くらいで終わります。ですから、手術が長引く事による患者さんの負担はそれほど増えないと思いますし、何よりも術後のメリットが人工弁に比べると素晴らしいです。回復も早いです。60歳前後の方だと術後1週間過ぎたら退院できるかなというぐらいの感じです。80歳の方でも2週間ほどで退院されます。その後の通院などはどのような感じでしょうか。
基本的にこの治療法では、薬をもらう必要がないので、ある程度時期が過ぎれば定期的な通院はしなくても大丈夫です。年に1回、心エコーの検査などで来ていただく程度です。 そういう点でも、人工弁とは全く違います。日々どのようなことに注意しながら診療されているのでしょうか。
私達の仕事は手術ですので、完璧な手術を目指しています。 プロフェッショナルな仕事として、術後何か処置をしなくても、自然に患者さんが元気になって退院していくという手術が1番良い手術だと、それを常に意識しています。もちろんそれが短期間で済めば1番良いので、常に手術のクオリティをより良くしようという向上心を持ってやっています。 手術以外の臨床に関しては、手術を受けて頂く患者さんの信頼を勝ち取るのがまず1番大事だと考えています。この先生に命を預けようと思って頂くわけですから、信頼して頂けるように言葉を選んだり、話し方を考えたり、同じ事を家族と話す時にも、考えたりしながら話しています。これは当たり前、常識的な事です。このページをご覧いただいている方にメッセージをお願いします!
荻窪病院は東京都のスーパー大動脈ネットワークの重点病院です。 この規模での重点病院は当院だけです。大動脈解離や、瘤の破裂などは当院に運ばれたらきちんと手術出来ますという事をぜひ地域の皆さんにも知っておいていただければと思います。この地域で“心臓に何かあったら荻窪病院”と思って頂けるようになったら、このセンターを立ち上げたプロジェクトは成功だと思っています。藤井 奨
Fujii Susumu
医長
感染管理室長主な専門成人心臓血管外科・大動脈外科
医師紹介
心臓血管外科
医長
感染管理室長藤井 奨
Fujii Susumu
- 入職
- 2008年
- 主な専門分野
- 成人心臓血管外科・大動脈外科
- 医学博士
- 日本外科学会外科専門医
1989年 金沢大学医学部医学科 卒業 2001年 横浜栄共済病院胸部外科 2005年 福井県立病院心臓血管外科
メッセージMessage
心臓血管外科、特に大動脈疾患を担当させていただいております。荻窪病院は急性大動脈解離や大動脈瘤破裂、いわゆる大動脈急性症では、都内の基幹病院です。よろしくお願いします。
浅野 竜太
Asano Ryota
医長
主な専門成人心臓大血管疾患全般、末梢血管疾患、ステントグラ
医師紹介
心臓血管外科
医長浅野 竜太
Asano Ryota
- 入職
- 2019年
- 主な専門分野
- 成人心臓大血管疾患全般、末梢血管疾患、ステントグラフト治療
- 医学博士
- 日本外科学会外科専門医
- 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医・修練指導医
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会腹部大動脈瘤ステントグラフト指導医
- 日本ステントグラフト実施基準管理委員会胸部大動脈瘤ステントグラフト指導医
- 日本外科学会
- 日本心臓血管外科学会
2001年 山形大学医学部 卒業 2001年 東京女子医科大学東医療センター 心臓血管外科 助教 2003年 西新井ハートセンター病院 心臓血管外科 医員 2004年 東京女子医科大学東医療センター 心臓血管外科 助教 2006年 東京医科大学病院 血管外科 臨床研究医 2007年 東京女子医科大学東医療センター 心臓血管外科 助教 2018年 国立病院機構埼玉病院 心臓血管外科 医員
メッセージMessage
2019年4月より赴任致しました。
近年、心臓血管外科領域においても低侵襲治療の進歩により治療の選択肢が広がりました。
患者様お一人お一人に合わせた最適な治療法をご提案して満足いただける医療を提供できるように心がけています。松岡 志超
Matsuoka Saneyuki
医員
主な専門心臓、大血管および末梢血管
医師紹介
心臓血管外科
医員松岡 志超
Matsuoka Saneyuki
- 入職
- 2019年
- 主な専門分野
- 心臓、大血管および末梢血管
- 日本外科学会外科専門医
- 日本医師会認定産業医
- 日本外科学会
- 日本循環器学会
- 日本胸部外科学会関東甲信越地方会
2013年 神戸大学医学部 卒業 2013年 国立国際医療研究センター病院 初期臨床研修医 2015年 国立国際医療研究センター病院 心臓血管外科 後期臨床研修医 2016年 帝京大学医学部附属病院 心臓血管外科 2017年 世田谷中央病院 内科
得意とする疾患
- 当科の注力疾患
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- 心臓弁膜症(自己心膜を利用した大動脈弁形成術)
- 急性大動脈解離
- 胸部・腹部大動脈瘤
- 狭心症
- 心筋梗塞
- 閉塞性動脈硬化症 他
得意分野
心臓弁膜症、特に大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症に対して「自己心膜を用いた大動脈弁再建術(AVneo)」を積極的に行っています。この手術は人工弁を使わないため術後の合併症がほとんどなく、血液の凝固を予防するワーファリンという薬を飲む必要もない画期的な手術として世界中の注目を集めています。当院ではいち早くこの手術を導入して2018年現在157例の実績があります。
狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患では患者さんに最も適した方法で完全血行再建を行います。心筋梗塞合併症に対する複雑な手術にも数多くの実績があります。
急性大動脈解離や大動脈瘤破裂など命にかかわる病気の緊急手術は都内でも屈指の件数を有します。このため当院は東京都大動脈スーパーネットワークの重点病院に指定されており、昼夜を問わず重症の患者さんが搬送されてきます。
大動脈瘤があるものの高齢や体力低下などで開胸手術や開腹手術が鞋 しい患者さんにはステントグラフ卜内挿術を実施します。
ほかにも急性下肢動脈閉塞では循環器内科医と協力してカテーテル治療と手術治療を組み合わせるハイブリッド治療を実施しています。
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手術方法
グルタルアルデハイド処理した自己心膜から三つの弁尖を切り抜き、これらを弁輪に縫い付けて大動脈弁を作製する。 -
AVP術前エコー
大動脈弁狭窄症の手術前心エコー弁が硬く肥厚しており可動性がほとんどない。弁口面積の計測値は0.46平方センチである。 -
AVP術後エコー
自己心膜で作成した弁の動きは良好である。弁口面積は2.46平方センチと大きく増加している
2022年治療実績
疾患名 | 手術件数 |
---|---|
弁膜症 (うち大動脈弁) (うち僧帽弁) (うち三尖弁) |
25 (10) (12) (3) |
虚血性心疾患 (心筋梗塞合併症を含む) |
24 |
胸部大動脈瘤 (急性大動脈解離を含む) |
52 |
その他の心疾患 | 10 |
腹部大動脈瘤等 | 22 |
末梢動脈閉塞等 その他の末梢血管疾患 |
15 |
計 | 148 |
学会発表・講演
タイトル | 筆頭演者 | 発表学会名 |
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2022年度 | ||
保存治療後のStanford B型急性大動脈解離の中期遠隔期予後についての検討 Midterm outcome of Stanford type B acute aortic dissection after conservative treatment |
浅野 竜太 | 第75回日本胸部外科学会定期学術集会 |
(講演)自己心膜等による大動脈弁再建術(Aortic Valve Neocuspidization: AVNeo)の実際と成績 ―TAVI時代におけるAVNeoの役割と将来展望― |
浅野 竜太 | 循環器Total Care Live Symposium |
当科におけるAVNeo(Aortic valve neocuspidization)の遠隔成績 | 浅野 竜太 | 第53回日本心臓血管外科学会 |
2021年度 | ||
1. Effect of distal anastomosis on complete remodeling of descending aorta in total arch replacement for Stanford type A acute aortic dissection 2. Aortic Valve Neocuspidization (AVNeo) in patients under 65 years old |
浅野 竜太 | 第74回日本胸部外科学会 |
AVNeo後の再手術症例の検討 | 浅野 竜太 | 第8回自己心膜等による大動脈弁再建術勉強会 |
2020年度 | ||
大動脈二尖弁にたいするAVNeo(Aortic Valve Neo-cuspidization)後の感染性心内膜炎にたいして再度AVneoを施行した1例 | 浅野 竜太 | 第184回日本胸部外科学会関東甲信越地方会 |
2次性大動脈十二指腸瘻に対して十二指腸合併切除した人工血管再置換術を施行した1例 | 松岡 志超 | 第48回日本血管外科学会 |
遠隔期の末梢側ランディングの評価からみたオープンステントグラフト法の特性についての検討 | 浅野 竜太 | 第48回日本血管外科学会 |
遠隔期リモデリングからみたオープンステントグラフトの至適サイズ選択の検討 | 浅野 竜太 | 第73回日本胸部外科学科定期学術集会 |
化膿性脊椎炎を合併した感染性腹部大動脈瘤に対する一期的手術の工夫 | 松岡 志超 | 第50回日本心臓血管外科学会 |
遠隔期リモデリングからみたオープンステントグラフトの至適サイズ選択の検討 | 浅野 竜太 | 第50回日本心臓血管外科学会 |
2018年度 | ||
65歳以下の症例に対するAortic Valve Neo-cuspidizationの早期、中期成績の検討 | 飯田 泰功 | 第49回日本心臓血管外科学会 |
Stanford A型急性大動脈解離に対する全弓部置換術およびOpen Stent Graft法術後のaortic remodelingについての検討 | 飯田 泰功 | 第59回日本脈管学会 |
当院における腹部大動脈瘤破裂手術の検討 | 藤井 奨 | 第46回日本血管外科学会 |
論文発表
論文タイトル | 著者 | 掲載誌名 |
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2017年度 | ||
Optimal time for pharmacological treatment of abdominal aortic aneurysm | Iida Yasunori,et al. | Curr Drug Targets. 2017 Dec 27. doi: 10.2174/1389450119666171227225008. [Epub ahead of print] PMID:29284387 |
Ectopic Expression of PCSK9 by Smooth Muscle Cells Contributes to Aortic Dissection | Iida Yasunori,et al. | Ann Vasc Surg. 2017 Nov 29. pii: S0890-5096(17)31103-2. doi: 10.1016/j.avsg.2017.10.005. [Epub ahead of print] PMID:29197601 |
Treatment of prosthetic valve endocarditis by aortic valve neocuspidization using bovine pericardium | Iida Yasunori,et al. | Eur J Cardiothorac Surg. 2017 Oct 31. doi: 10.1093/ejcts/ezx380. [Epub ahead of print] PMID:29096006 |
Blood flow into ulcer-like projection of a type B aortic dissection visualized with computational fluid dynamics | Iida Yasunori,et al. | J Thorac Cardiovasc Surg. 2017 Oct;154(4):1217-1218. PMID:28554679 |
Left atrioventricular valve replacement in a patient with hereditary haemorrhagic telangiectasia | Iida Yasunori,et al. | Interact Cardiovasc Thorac Surg. 2017 Aug 1;25(2):327-328. PMID:28481989 |
Silent balanced double aortic arch with descending thoracic aneurysm in an elderly patient | Iida Yasunori,et al. | J Vasc Surg. 2017;65(6):1823. doi: 10.1016/j.jvs.2016.02.060. No abstract available. PMID:28527933 |