眼瞼けいれん(がんけんけいれん)
眼瞼けいれんとは
眼瞼痙攣は瞬きが増えたり、目をぎゅっと閉じてしまい、思い通りに目を開けられない状態です。他にまぶしい、目が乾燥した感じ、目を閉じていた方が楽に思える、自然に片目あるいは両目が閉じる、などの症状があります。
瞬き運動の障害なので、制御する脳の部位に異常があることになりますが、頭部CTやMRIでは異常は見つかりません。
40~50歳代以上の女性に多い病気です。
重症になると目を開けることができず、瞼の周囲や眉間にもぎゅっとしわを寄せて瞼を硬く閉じる表情となり、すぐに診断がつきます。
眼瞼けいれんの治療
原因不明の事が多いのですが、常用している安定剤、睡眠導入剤などの薬剤が誘因であったり、化学物質への暴露が誘因であった場合もあります。可能な限りこれらの薬の使用を中止するなど対策をとることも大切です。
根治させる治療法はありませんので症状を和らげる対症療法をします。よく行われているのは眼周囲の皮下にボツリヌス毒素の製剤を注射して、目を閉じる筋肉の作用を弱める治療です。効果は2~3ヵ月続きますので、再発したら繰り返し注射を受ける必要があります。他には特殊な眼鏡や、内服薬で経過を見ることもあります。
片側顔面けいれん(へんそくがんめんけいれん)
片側顔面けいれんとは
顔面を動かす筋肉、例えば瞼を閉じる筋肉、頬のあたりの筋肉、口を開け閉めする筋肉などが勝手に収縮して引き攣れたりピクピクするする病気です。40歳以上の女性に多い病気です。はじめは目の周りだけがピクピクします。徐々にピクピクは顔面全体に広がってきます。ピクピクは顔を動かすことで誘発されますので話したり笑ったり食べたりすることで出てきたり、緊張して顔がこわばるときに出てくることもあります。両側に発症することはまれです。
原因は、片側の顔面神経が顔に分布する前に正常な動脈の近くを通るため、動脈硬化などで動脈が湾曲するなどして顔面神経に当たるため刺激を受けてけいれんしている場合が多いです。まれには血管以外にも顔面神経を刺激するものがある可能性がありますので頭部MRIなどの検査を受けると良いでしょう。
顔面けいれんの治療
顔面神経を刺激している原因を取り除く脳神経外科的な治療が根治術です。手術以外の方法としては、けいれんしている筋肉にボツリヌス毒素製剤を注射して筋肉を麻痺させる対症療法があります。効果は3~4ヵ月程度です。