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薬剤科からのお知らせ

2025.05.15 「教育体制と採用」についてのページを新設しました。

2024.03.25 新たに「薬薬連携」のコーナーを設置しました。地域の保険薬局等との取り組みについて、お伝えしていきます。

薬剤科について

病棟における薬剤管理業務(服薬指導や医薬品管理)を中心に、外来・入院患者さんの薬の調剤と監査、無菌調剤、抗がん剤調製、院内製剤調製、DI業務といった基本業務を行いながら、AST、化学療法、NST、ICT、褥瘡等のチーム医療にも積極的に参加しています。教育では、薬学部学生実務実習生を受け入れ、社会の期待に応えられるような、信頼される薬剤師の育成を行っています。

理念

当院の理念を基に調剤をはじめとする質の高い薬剤業務を提供する

方針・目標

  1. 医療者間の連携をはかり、安全で適正な薬物療法を提供する
  2. 質の高い薬剤情報を提供する
  3. 医薬品の適正供給を行う
  4. 継続した専門分野の知識の研鑽と認定・専門薬剤師を取得する
  5. 積極的に学会発表や論文投稿を行う
  6. 新人教育や学生実習などの教育体制を確立する
  7. 地域勉強会を通して調剤薬局との連携をはかる

業務体制

調剤業務

病院の調剤業務は主に入院患者さんに対して、医師の処方箋に基づき、薬剤師が適切な薬を準備・提供する業務です。病院ならではの特徴として、より高度な医療に対応し、医師・看護師と連携しながら薬物療法を支える役割を持っています。特に注射薬調剤は、点滴・注射薬を適切に調製し、患者さんに安全に投与できるよう管理する業務です。病院薬剤師にとって重要な役割であり、無菌操作や投与経路の知識が求められます。

調剤業務の流れ

  1. 処方箋の確認(処方監査)
    医師が入力した処方箋の内容について、用法・用量(体重・腎機能・肝機能を考慮)、投与経路、相互作用、重複投与、副作用リスクなどを確認します。注射薬では投与速度や配合変化の有無(混合時の沈殿・変色・pHの変化など)も確認します。
    疑問があれば必ず疑義照会(医師への確認)を行い、処方内容の調整を依頼することもあります。
  2. 調剤(薬の準備)
    患者さんごとに処方された薬を準備します。必要に応じて、一包化(飲むタイミングごとに薬をまとめる)や混合調製、粉砕調剤も実施しています。
  3. 監査(調剤チェック)
    調剤された薬を別の薬剤師が再度確認し、誤りがないかを確認します。
  4. 必要に応じて配薬ケースセット
    患者さんごとの配薬ケースに、服用タイミングにあわせて1週間に一度、飲み薬をセットします。注射薬は1日分ずつ専用カートにセットします。

注射薬混合業務

抗がん剤や高カロリー輸液などは薬剤師が無菌操作(クリーンベンチ・安全キャビネット完備)を行い、患者さんに提供しています。抗がん剤は安全キャビネットで調製しており、特にハイリスクな薬剤は閉鎖式器具を用いて医療者への暴露対策を行っています。

院内製剤

医薬品として販売されていないものの医療上必要とされ、薬剤師が医師の求めに応じ、自ら院内において調製する医薬品を院内製剤といいます。市販薬にない濃度や成分が必要な診断用薬の調製や注射薬、点眼剤、外用剤、消毒薬などを調製しています。無菌的に調製する必要のある製剤は、無菌室で調製しています。

病棟業務

当院では病棟ごとに薬剤師が常駐し、医師・看護師等の他職種と連携しながら患者さんの薬物治療をサポートしています。患者さんの状態に応じた薬剤管理を行い、安全で適切な薬物療法を提供しています。

病棟薬剤師の主な業務

  1. 入院時の持参薬確認・処方監査
    副作用歴やアレルギー歴の把握、他院の処方薬、サプリメントなどの服薬状況の把握と評価、 処方薬の適正を確認します。
  2. 服薬指導(患者さんへ説明)
    薬の効果・飲み方・副作用について患者さんに説明します。退院後も良好な服薬アドヒアランスを保つために、現状を評価し、薬の管理方法や生活指導も実施します。
  3. 治療薬物モニタリング(TDM)、副作用モニタリング
    患者さんの状態、検査値から適切な投与量に調整します。ベッドサイドで患者さんの訴えや症状から副作用の早期発見に努め、医師・看護師へ情報提供し、処方変更を提案します。
    また、血中濃度測定(バンコマイシン・アミノグリコシド系抗菌薬など)を行い、薬剤の効果を最大限かつ副作用の発現を最小限にするために、積極的にTDM(治療薬物モニタリング)による投与設計を行っています。
  4. 医療チームとの連携(カンファレンス参加)
  5. 退院時の薬剤管理指導(地域医療との連携)
    患者さんやご家族に退院後の薬物管理をサポートしています。服薬継続の重要性を説明し、必要に応じてトレーシングレポートや薬剤情報サマリーを活用し、かかりつけ薬局との連携を行っています。

術前外来

手術前の外来において、患者さんの服用歴を確実に把握することが重要です。術前外来では、出血のリスクを増加させる薬や血栓のリスクを高める薬、また傷の治癒を遅らせる可能性のある薬の服用状況を詳細に確認します。薬剤師は必要に応じて、お薬手帳を確認し、面談を行います。また、手術に伴って休薬が必要な薬剤について、医師や看護師をはじめとするスタッフと情報を共有し、手術が安全に実施されるようサポートしています。

医薬品情報(DI)業務

医薬品に関する情報を幅広く収集・整理し、医療スタッフへ最新の情報を提供しています。
また、新規採用医薬品の検討、供給制限対応、薬剤関連マスタの整備など、医療安全対策にも貢献しています。
DI室での業務が中心となりますが、カンファレンスを通して、病棟薬剤師や周術期管理薬剤師等と連携することで、患者さんの薬物治療を支援しています。

治験薬管理業務

当院の臨床試験センターでは、看護師、薬剤師、事務などのスタッフで、治験・製造販売後臨床試験、臨床研究、製造販売後調査に関する業務を行っています。

医薬品SPDへの業務移管

薬剤師が係わる業務を「薬剤師しかできない業務」と「薬剤師以外でもできる業務」に仕分けを行い、ノンライセンス業務をSPD(医薬品管理業務受託サービス)に業務移管しています。薬剤科内業務の効率化をはかることで、薬剤師が薬剤関連業務に専念できる環境を構築しています。

チーム医療

チーム医療の一員として、医師、看護師、各療法士などの医療専門職とともに患者さんの治療やケアに取り組んでいます。
当院ではチーム医療を特に重視しており、薬剤科でも下記のようなチームにおいて薬学の専門知識を活かし、活動しています。

医療安全(SMT) 医療安全管理委員会の下部組織として、安全な医療を提供することを目的に、各部署からほぼ全ての職種が月1回集まり活動しています。インシデント事例の共有、その対策を考案し、再発防止につながる環境づくりを行っています。
感染制御(ICT,AST) 週1回の多職種による環境ラウンドと、週2回の抗菌薬適正使用ラウンドを行いAMR対策に取り組んでいます。認定薬剤師が主となり、積極的に関わることで、患者さんや職員の安心・安全を守るために活動しています。当院は中野・杉並感染管理ネットワークの事務局も担当しており、地域の感染管理にも尽力しています。
栄養サポートチーム(NST) 入院された患者さんに対し、栄養が充足するよう医師・管理栄養士・看護師・リハビリテーション科・検査技師・薬剤師でサポートしています。
NST薬剤師は患者さんの状態や今後の方向性などの情報を把握し、病棟担当薬剤師からの相談応需の他、投与中の点滴、経腸栄養剤に関する提案等を行っています。
褥瘡対策チーム 医師・看護師・管理栄養士・リハビリテーション科と共に月1回委員会に参加し、多職種で褥瘡防止、早期治癒を目的に活動しています。
褥瘡に関するデータ収集と分析を行い、褥瘡対策を実施しています。
また、褥瘡に対する知識向上のための勉強会を企画、運営しています。
認知症サポートチーム(DST) 認知症やせん妄を発症するリスクの高い患者さんが安心して入院生活を過ごせるようサポートするチームです。医師・看護師・管理栄養士・リハビリテーション科・ソーシャルワーカー・薬剤師など多職種でのラウンドを週2回行い、苦痛や不安の軽減に努めています。
骨折リエゾンサービスチーム 二次骨折の予防を目的に、医師・看護師・管理栄養士・薬剤師でラウンドを週1回行うなど、多職種との連携によって患者さんの骨粗鬆症治療を開始し、骨折・転倒予防を行っています。
術後疼痛管理チーム(ASP) 術後の疼痛管理を目的に、医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師を中心に2025年度より活動開始予定です。
術後の疼痛、吐き気などの苦痛を緩和して入院中の不安を軽減し、鎮痛薬の適正使用と安全管理を行っていきます。
臨床倫理コンサルテーションチーム 院内全体で倫理観を高め、患者さんへ質の高い医療サービスを提供することを目的とするチームです。医師や看護師、コメディカル、社会福祉士、事務職等の多職種で月に1回定例会を開催し、組織体制の確立や症例検討を行っています。また、倫理カンファレンスが開催された際は、倫理的課題に対して薬剤師の視点から介入し、患者さんとその家族にとって最善を尽くせるようサポートをしています。
血液凝固科カンファレンス 週に1回医師・看護師・医療事務とのカンファレンスに参加し、情報共有を行うことで血液製剤の安定供給ができるように在庫管理を行っています。
循環器・心臓血管外科カンファレンス 週に1回入院患者さんの病状把握を目的としてチームカンファレンスを行っています。入院中はもちろん、退院後の生活に至るまで、患者さんの支援方法について多職種で話し合いを行っています。
内科カンファレンス・回診 医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・理学療法士・歯科衛生士・メディカルアシスタント・社会福祉士などによるチームカンファレンスを行っています。各職種持ち回りの勉強会や症例報告/検討も実施しており、薬剤師は薬学的視点からの意見を求められる場も多くあります。
消化器カンファレンス 週に1回、消化器内科・外科の合同カンファレンスで術前/術後のがん化学療法施行予定の患者さんなどについて多職種で情報共有を行います。術後の経過や今後の治療方針について話し合います。
泌尿器科カンファレンス 週に1回、がん化学療法や手術予定患者さんの情報共有や、入院患者さんの病状把握を行うなど、多職種で治療方針について話し合います。
化学療法カンファレンス 週に1回、消化器外科・放射線科の医師を中心に多職種で、術後病理結果や化学療法予定患者さんについて情報共有を行います。レジメン選択・変更などを検討します。

  • ▲感染制御チーム

  • ▲ASTラウンドの様子

薬薬連携


▲保険薬局薬剤師に無菌操作を指導しました
当科は、患者さんが退院後に安心して療養生活に入れるよう、保険薬局薬剤師との連携を柔軟に行っています。

  • 2025.03.15 在宅医療について多職種連携会議を行いました(杉並区薬剤師会・荻窪病院・河北病院共催)
  • 2024.11.23 地域の保険薬局薬剤師に無菌操作を指導しました(杉並区薬剤師会・荻窪病院共催)
  • 2024.10.20 薬と健康の週間に参加しました(杉並区・杉並区薬剤師会 他共催)
  • 2024.03.16 がん患者フォローアップに関するワークショップを行いました(杉並区薬剤師会・荻窪病院・河北病院共催)
  • 2023.11.11 薬局薬剤師を対象とした無菌調製実技研修を行いました(杉並区薬剤師会・荻窪病院共催)
  • 2023.03.09 薬薬連携の取り組みに関するワークショップを開催しました(杉並区薬剤師会・荻窪病院・河北総合病院共催)

地域医療連携

荻窪病院は第一次医療である地域の「かかりつけ医」の先生を支援し、専門外来や入院、救急医療など地域医療の中核を担う体制を備えた病院として「地域医療支援病院」の承認を受けています。
当院は各診療科のカンファレンスや連携の会を積極的に行い、地域の医療機関との顔の見える連携を大切にしています。薬剤科も病院のイベントを通して地域の皆様との連携を深めています。

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